「ファン」の多層化が必要ではないか

エッセイ

ともり ひろき(@HirokiTomori)です。

朝、気になるツイートを見つけた。人気ブロガー / 作家のはあちゅうさんのツイートだ。

おそらくある程度、煙が立ち上がるのを狙ったツイートではないかと予想するが、かなり火力が強い。苛立ったリプライが散見される。

「ファンならクリエイターのコンテンツをお金を出して買うべきだ」

これは本当に良くわかる。僕も一応、音楽家(コーラス指導者 / ピアニスト)の端くれだ。自分の技術をタダで消費されるのが当たり前になってしまっては困る。

「応援してます!無料コンテンツだけで楽しませてもらってますけど^^」というメッセージには、

「いや応援してる、というならお金をくれよ,,,」と言いたくなる日もある。というかクリエイター業、アーティスト業をやっている人間なら、毎日思うのではないだろうか。

しかしながら、この問題。

本当に「ファン」が悪いのだろうか。

 

「ファン」という言葉で多様な層を括りすぎではないか

ファンと言っても、全く違う層がいる。そこすら多様なのだ。それを認める必要があるだろう。

あるインフルエンサーにどっぷり浸かっている人もいれば、1週間前にVoicyで初めてその人を知った、という人もいる。

「コアファン」と「ライトファン」をひとくくりで扱ってしまっているのが問題なのだろう。

考えてみれば、この辺の用語が整理、また定義されていないように思う。

「フォロワー」とは何か。「ファン」とは何か。

これらは同じなようでいてちょっと違っている。

こんな図で説明してみた。

 

 

誰もが最初はフォロワーから始まる。ただフォローしているだけの層だ。「なんとなくフォローしているだけ」の人もいる。だからアンチもいたりする。ただ、興味を持っていることは間違いない。

ライトファンは、その名の通りライトだ。お金を落としてくれるかはわからない。

コアファンはお金を落としてくれる正真正銘のファンだ。お金を落とすことが彼らの快楽だったりもする。

クリエイター側はもちろんフォロワーをライトファンに成長させ、そしてコアファンにまで「完成」させたい。コアファンがいないと、運営は回らない。

しかしながら、この多様な世の中だ。「ライトファンのままでいさせてよ」という層の存在可能性がある。

きっと彼らはこう言う。

「はあちゅうさんのことも、ゆうこすさんのことも、それからイケハヤさんのことも好き。ファン。だからみんなにお金を落とすことはできないんだよね,,,。ライトなままでいたいの」

クリエイターにしてみると「なんて調子のいい野郎だ」と言いたくもなるだろう。

だがこれからの時代は「多様化」一直線で、しかもそれでいて「小さいコミュニティ」が増えていくとされている。

複数のコミュニティに、浅く所属する人間も多いだろう。だからライトファンたちの主張は今後強まっていくのではないか。

つまり、「ライトファンはコアファンへのただの通過点に過ぎない」という認識を改め、

「ライトファンの席もコミュニティには必要である」という認識を積極的に持つことが大事になってくるのではないか。

そうでないと、お互いにストレスだ。ライトファンにステイするつもりの人間に対して「コアファンになれ!」は手厳しい。

そもそも「ライトファン席」があると思ってそこに来ているからだ。そこのすれ違いは、運営側にも損だろう。金を払う気ではない層に「金を払え」というのはあまりにもイメージが悪い。



コミュニティ乱立時代に備える

ライトファンに対して「金を払え!コアファンになれ!」という要求は暴力的にも見えるだろう。まるで「信仰心をもっと強めろ!」というカルト団体の教祖の言い分にすら思えるかもしれない。

ライトファンになったばかりの層が、Voicyでインフルエンサーのコンテンツを楽しんでいたとする。

そこに突然インフルエンサーが「無料コンテンツで楽しんでいる人間がファンを名乗るな!」というメッセージを発信する。それは正直、ライトファンが気の毒だと思う。

「カルト」だの、なんだか大げさに言っているようだが、これは僕らがこれから気をつけていかなくてはいけないことだろう。コミュニティが乱立していく世の中だ。情報弱者はカルトまがいの団体に吸い込まれる可能性も高い。

コミュニティの作り方は本当に難しい。

「このコミュニティに入るなら、そうね、ちゃんとお金を落として。そうじゃないと運営が回らないから」

今までの時代のやり方はそう言いがちだった。そこにもう一工夫加える必要がある。そこから進まなくてはいけない。

オープンでありつつ、「ファン」の形を多層化していく。そうしていくことでお互いのすれ違いとストレスを軽減できるのではないだろうか。

もちろん、クリエイターたちへの報酬を積極的に払っていく心構えも大事だ。日本という国はクリエイター、アーティストたちへのリスペクトが著しく低い。そこの学びも必要だろう。

ファンと、運営 / インフルエンサー。お互いにうまく擦り寄り、いいバランスが見つかればいいなと思っている。

 

冨森(ともり)ひろき